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Channel: ☆名古屋砥泥会(なごやとどろかい)☆
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刃物の研ぎに付いての考察

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建築関係の方とお話をして居りましたら「鉋が一番難しい包丁はただ切れたら
良いだけやから」との発言が有りました
確かに鉋は組み合わせてト-タルで使う物ですから難しさも解かりますが包丁は
単純なだけに奥が深い感が有ります
良く似た物に仕事で使う「鋏」が有ります
ご存じの様に2枚の刃物を1点のボルトで締めてかみ合わせて毛髪の束を切る訳です
刃単体が幾ら良く切れても咬み合わさっての力学で上手く力が作用してくれないと
「バサミ」に成ってしまいます
自分には奥が深すぎて諦めて居りましたが最近は歳でしょうか?
少し考えが変わって来ました
端から順番に少しずつでも丹念に休まず崩してゆけば何時かは自分でもクリア出来
るかもと?
今日からは其の1です!!
釈迦に説法に成るかもですが
簡単に概略を説明いたしましょう
左側赤い半月の部分が「触点」其の上の丸いのがネジ穴左が刃線右が峰です
下の指穴には薬指が入りますヒゲには小指を掛けます此れが「静刃」です
もう片方には親指を入れて此方側だけを開閉致します「動刃」ですね
(両方同時に動かしません)
反対に親指を入れる方を静止して薬指を入れる方を動かす
「ジカ鋏」と云う技法も有りますが(角刈り等短髪の断面をそろえる)高度技術です
簡単に説明いたしますと反った2枚の刃をネジで締めて(弾力を生かし)平面気味に
して開閉は1点づつ咬み合う所が刃先(元)に移行して行きます!
此の時「触点」もネジ穴を天秤ハカリの支点のようにして作用して居ります
樫の木に「切り込み」が入って居りますいわゆる「コジル」訳で鋏の「反り」
や「ひねり」を
正しく修正成形するための道具です
黒い金属は水平ゲージです  
イメージ 1
イメージ 2


図が上手く無いですが前向きにご理解下さい
水平ゲ-ジにばらした鋏を片方置きます其のままの状態ではア-ルに隙間が見える
ようにが理想です
次にネジ穴を締める力(ネジを締めた状態と同じ)で押さえ込みます
するとゲ-ジにぴったり貼り付きます此れが理想でしょう
イメージ 3


組み合わせての開閉ですA点とB点の咬み合わせがネジ穴を天秤点に何時も同じ
個所が当たります
咬み合わせの調子が良い鋏は問題無く刃線を砥げばよい訳です
(表を研げば必ず裏に返りが出ますから裏の返りを取りますと極少量でも形状が
段々変ってゆきます)
大きく咬み合わせの調子が狂った鋏は先ず「コジ棒」なりハンマ-で大まかな形状を
作り出します
ゲ-ジで何回か隙間を観て最良の形まで持って行きますその後金番で裏のすり合わせです
触点刃線を良く観て金番との当たりを探って行きます(荒い研磨剤~細かい研磨剤に
移行しながら)
イメージ 4


刃線の形状は柳の葉っぱの形が理想とされてます此れは開閉した時に毛髪が少し
刃先側にずれて
切れる(力学)ので戻った時に切った後が残らないようにです
もし ずれずにパツンと切れますと開閉時の跡が残りましょう(トラ刈り)
切れ刃の型刃は蛤刃か2段刃が良いようです
以上が概略です
今後は実際に研ぎも掲載して行きたいです
イメージ 5


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